• 入会案内
  • お問い合わせ
  • 日本微生物学連盟

会員サービス

  1. ホーム
  2. 会員サービス
  3. 話題のコーナー
  4. カンピロバクター属

食品微生物の基礎知識

カンピロバクター属〔genus Campylobacter

【菌の分類・性状】カンピロバクター属菌は0.2~0.8μm×0.5~5μm大の細いらせん状あるいはS字状にわん曲したグラム陰性桿菌で,一端または両端に1本の鞭毛を持ち,コルク栓抜き様運動を呈する.一方,長時間の培養や環境の変化に応じて菌形態が「らせん状」から「球状」に変化する.菌の増殖には酸素濃度が3~15%の微好気環境を必要とし,また,発育温度は菌種により異なる.2008年現在,18菌種6亜種3生物型が知られている.食中毒菌に指定されているC. jejuniとC. coliの発育温度域は31~46℃であり,増殖に必要な水分活性(Aw)は0.99と高く,また,発育可能なpHはおおむね5.5~8.0で,一部の菌株を除き,pH5.0以下,pH9.0以上では発育しない.【病原因子および感染菌量】カンピロバクターは,適当な感染モデルが確立されていないことなどの理由から,下痢発症のメカニズムについては,まだ十分に解明されていない.一方,本菌は30℃以下の温度では増殖できないことや,発育には微好気環境が必要なこと,乾燥条件に弱いことなどを特徴とする.ヒトの感染菌量は数百個程度であると考えられている.

【分布状況】カンピロバクター属菌は,家畜,家禽,伴侶動物,野生動物などの腸管内に広く分布している.家禽ではニワトリのカンピロバクター保菌率が高く,多くはC. jejuniである.このほか,アヒル,七面鳥,ウズラもC. jejuniを保菌する.家畜ではウシ以外にも,ヤギやヒツジもC. jejuniを保菌する.一方,ブタはC. coliを高く保菌する.また,C. fetus subsp. fetusは不妊・流産の原因となる.その他の動物ではイヌやネコなどの伴侶動物のほか,ハト,スズメ,カラスなどの野鳥もC. jejuniを保菌する.

(小野一晃先生,中央法規出版「食品微生物学辞典」より)

関連リンク