学術総会長あいさつ
謹啓 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。さて、この度、第33回日本食品微生物学会学術総会を平成24年10月25日(木),26日(金)に福岡市の「アクロス福岡」シンフォニーホールをメイン会場として開催させて頂くことになりました。
昨年は、我が国における焼き肉チェーン店の腸管出血性大腸菌O111による食中毒事件、5月にはドイツを中心としたヨーロッパで芽物野菜の生食に起因すると推定された腸管出血性大腸菌O104、年末にはアメリカでマスクメロンを原因とするリステリア食中毒で多くの人命が失われました。これらの血清型の腸管出血性大腸菌については検査法が示され、生食用食肉(牛肉)の規格基準設定が設定され、成分規格において「腸内細菌科菌群が陰性でなければならない」とされました。このような状況を見ますと、食品の微生物学的安全性と品質の確保における本学会の果たす役割はますます大きくなっていると思われます。本日本食品微生物学会学術総会では、食品に関係する微生物の特徴、食品の微生物検査および制御の現状と問題点、標準的な検査法、最新の簡易迅速法や検査キットなどの評価、検査法の国際動向などについての最新情報が紹介されます。また、最新の検査装置や便利な器具・装置類、簡易迅速法で用いられる培地や試薬,キットなどの展示も行われます。
古くからアジアとの交易が行われ、黒田藩の城下町として栄えた福岡市には、博多人形や博多織など職人技が光る伝統工芸品も有り、また、博多とんこつラーメンやもつ鍋、水炊き、玄海灘で捕れる新鮮な魚料理をご堪能頂けるものと思います。
会場の「アクロス福岡」は福岡市の中心にあり,福岡空港から地下鉄で11分、JR博多駅からは地下鉄で約5分と交通の便も非常に良い場所にあります。多くの学会会員の皆様のご発表とご参加、および関係各位のご来場を心よりお待ちしております。
謹白
第33回日本食品微生物学会学術総会
学術総会長 宮本 敬久
(九州大学大学院農学研究院)