優秀発表賞について
第36回日本食品微生物学会学術総会 優秀発表賞及び優秀ポスター賞の選考結果について
第36回日本食品微生物学会学術総会では、以下の5演題を、優秀発表賞あるいは優秀ポスター賞として表彰し、副賞を贈呈しました。受賞された皆様、おめでとうございます。
【優秀発表賞】
- A-12
- DNAクロマトを用いた迅速・簡便な食中毒原因菌検出法の開発
Riztyan1),○高崎一人1),峯岸恭孝2),布藤 聡1)
((株)ファスマック1),(株)ニッポンジーン2))
(選考理由)
研究の独創性があり、成果が社会に還元される可能性が高い。プレゼンテーション能力も秀でていた。
- B-18
- 原因不明事例の患者糞便からの多殻目粘液胞子虫遺伝子の検出法
○江藤良樹1),前田詠里子1),村上光一1),丸山浩幸2),右田雄二3),世良暢之1),堀川和美1)
(福岡県保健環境研究所1),福岡市保健環境研究所2),長崎県環境保健研究センター3))
(選考理由)
生鮮魚類喫食に伴う原因不明有症苦情事例を検査できる有用なツールの開発とその応用を示した。
- C-07
- ベトナムで流通する香辛料の腸内細菌科菌群汚染実態と分離株の薬剤耐性
○山根諒子1),原田哲也2),井澤恭子2),河原隆二2),久米田裕子2),伊勢川裕二1) ,山本容正2)
(武庫川女子大学1),大阪府公衛研2))
(選考理由)
香辛料に関する報告はこれまであまりなく、結果として病原細菌とりわけサルモネラや薬剤耐性菌の汚染実態を明らかにするとともに、香辛料の摂取によるヒトの健康リスクの存在について提言した。
【優秀ポスター賞】
- P-19
- Cronobacter spp. (サカザキ菌) 検査における偽陽性菌の鑑別
○西原正晴,須藤朋子,宮本真理,石井 哲,柳平修一,鷲尾信幸
(雪印メグミルク(株))
(選考理由)
乳幼児クロノバクター症の原因菌であるサカザキ菌検査において偽陽性を減らす手法として特異的PCR法の評価を行い、有用な方法を明らかにした。
- P-40
- ATP法による牛乳および発酵乳中の大腸菌群迅速検出法の検討
○高橋尚美,守屋佑佳,辻本義憲
(株式会社 明治 研究本部)
(選考理由)
牛乳などにおける大腸菌群の出荷前検査において検査時間を大幅に短縮できるATP法を利用した迅速検査法を開発した。
第36回日本食品微生物学会学術総会 優秀発表賞及び優秀ポスター賞の選考の概要
- 選考は一次審査、二次審査の2段階で行います。
- 一次審査は講演要旨による書類選考です。
- 二次審査は、原則として一次審査で選ばれた演題を対象とし、発表内容を審査します。
◎審査基準
◆一次審査項目
- 独創性
- 研究の発想や仮説、得られた結果の解釈が独創的であるか?
- 有用性
- 得られた結果、技術等は社会に還元されうるか、高い有用性が期待できるか?
- 目的・問題提議の妥当性
- 研究に至る問題点が適切に提示されているか?目的は明確で的を射ているか?
- 方法の妥当性
- 採られた方法は研究目的に対し妥当であるか?方法に対する理解は十分か?
- 結果と考察
- 結果がわかりやすく提示されているか?結果と考察に整合性が認められるか?
- 結論の妥当性
- 設定された目的、問題提議に対し、結論は妥当なものか?
◆二次審査項目(一次審査項目に加え、以下に基づいて選考する。)
(口頭発表)
- 発表
- 発表がわかりやすくまとめられているか?
発表スライドが理解を助けるよう注意深く作成されているか?
- 質疑応答
- 質問された内容に対して適切に回答しているか?
研究内容・周辺領域に十分な知識を有し、結果を深く考察しているか?
(ポスター発表)
- 内容
- ポスターに、研究の全体が理解できるように「目的、材料と方法、結果、考察」が過不足なく記述され、かつ、読みやすく、理解を助けるよう注意深く記載されているか?
- 体裁
- ポスターの文字の大きさやフォント、図表の体裁およびレイアウト等が読みやすく、かつ理解しやすいように作成されているか?
◎選考結果の発表および授賞式
審査結果は学術総会2日目(11月13日)午後17時よりA会場(大ホール)で発表し、授賞式を開催します。一般講演の発表者は全員授賞式にご出席いただくようお願いします。
◎その他
優秀発表賞および優秀ポスター賞の受賞者は、発表内容を日本食品微生物学会誌へ投稿いただくことを前提として選出致します。授賞された方は是非学会誌への論文投稿をお願いします。