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  • 2024年

NGS座談会 第9回 NGSデータの活用における課題(2)

司会進行:三宅 眞実(大阪公立大学)
参加者 :野本 竜平(神戸市健康科学研究所)、和田 崇之(大阪公立大学)、中村 寛海(大阪健康安全基盤研究所)

第8回の要約

全ゲノム解析データから食中毒細菌のクローナリティ(菌株の一致性)が明確にわかると思われているが、実はそうとは限らない。全ゲノム解析の解釈には様々な条件が影響を与えることから、課題が山積みである。解析技術や結果の解釈をどう標準化するかが今後のもっとも重要な課題の一つである。

第9回

野本
去年、私の所属する研究所で、浴場施設が原因と考えられるレジオネラ症患者から分離した菌株のゲノム解析を行政検査で実施しました。当研究所ではレジオネラのゲノム解析をこれまでかなりやってきて、レジオネラの場合は由来が同一の菌株間のSNP数はこれくらいになるだろうということが推察できたから、解析の結果、浴場からの分離株と患者からの分離株は同じ株だと結論づけました。

中村
その話は聞いています。その後、同じ話を聞いたあるところから、「患者分離菌株と、その患者さんが利用した浴場から分離された菌株があれば、...

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